良い汗と悪い汗

 

暖かくなると汗をかきやすくなってきます。
汗には、良い汗悪い汗あるのをご存知でしょうか?

 

少し簡単に説明します

 

汗は体の表面にある汗腺から分泌されます。

 

汗腺は唾液腺、涙腺などと同様で、体外に体液を分泌する外分泌腺のひとつで、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。
エクリン腺はほぼ全身に分泌していて、全体で200〜500万個もあります。しかし、このうち実際に働いているのは半分程度しかなくこれを「能動汗腺」といいます。汗に量は能動汗腺の数に依存しており、平均能動汗腺数は気候と関係があり、ロシア人では約180万個、日本人で約230万個、フィリピン人で280万個といわれています。この数は3歳までで決まってしまうそうです。

 

エクリン腺から出る汗の99%は水分で、肌の表面で皮脂と混ざって皮脂膜を作り、肌を弱酸性に保ち、肌を外敵から守る働きをします。残りの1%は塩分なのでほとんどニオイはありません。

 

アポクリン腺は大汗腺とも呼ばれ、思春期になると急速に発達していきます。
エクリン腺よりも肌の深いところにあり毛穴と連結しているので、脇の下、外陰部、乳首の周り、肛門周辺などに分泌しています。アポクリン腺からでる汗には、
ホルモン、脂肪分、色素、尿素、アンモニアなどが含まれており体臭の原因になります。


汗をかく 効果や役割

汗をかく最大の目的は体温調節

 

体温が高くなったときに汗をかくと、その水分が肌の表面で蒸発するときに気化熱となって熱が奪われるので、体温を下げることができます。しかし、暑くもないのにドキドキしたり、緊張したときに、手に汗をかくこともあります。これは、体温調節がとは関係なく、ストレスや緊張などにより、自律神経の交感神経が優位になり、汗腺の活動が活発になってしまうためです。他にも、辛い物を食べたときに汗をかく「味覚性発汗」などもよく経験します。

 

エキリン腺から出る汗の中には水分以外に塩分なども含まれますが、「良い汗」は水分が多く混ざり物が少ない汗のことで、水分が多くてさらさらした汗は蒸発
そやすく、少しの汗でも効率的に体温を下げることが出来ます。逆に塩分などが多くネバネバした汗が「悪い汗」で、蒸発ししにくいため体温を下げにくく、たくさんの汗をかく必要があります。このため体力を消耗しやすく、脱水症状や熱中症の危険が高まります。

 

悪い汗をかく原因のひとつが運動不足やエアコンの使い過ぎです。
1年中「汗をかかない生活」をしていると、どんどん汗腺の機能が低下してしまいます。適度な運動で汗をかくことは「良い汗」をかくための体質改善につながります。入浴やサウナなどでしっかり汗をかくのも汗腺の活性化には役立ちます。しかし、サウナで汗をかいても代謝が増えたわけではありませんので、運動の代わりにはならず、ダイエット効果もありませんので誤解されませんように。