足のニオイは深刻 、その正体と撃退法を案内

足のニオイは酸っぱい感じで独特な臭さ。
汗をかいた蒸れた皮膚を好む白癬菌。

 

日本人は4人に1人が水虫で、高温多湿な日本は水虫の天国。

 

日本臨床皮膚医会が同会に所属する全国の皮膚科医にて調査を実施。

 

水虫以外の症状を訴えて来院した患者に診察を試みた
総数3万4千人超のデータを集計した結果、なんと約25%もの多数から水虫を検出。皮膚科医による調査は、それ以前に行われたどんな水虫の調査より、精度の高いデータ集計であることは間違いないだろう。

 

注目するところは、調査対象に水虫を理由に来た人はいなかったという点。自覚症状が無い人が多い。原因菌である白癬菌は暖かくて湿った場所を好みます。靴の中の湿度を測定してみると女性に人気のブーツの中は100%近くにもなります。当然、水虫は男性特有の悩みではないことがわかります。
働く女性が増え、靴を履く時間の長くなった女性に水虫は増え続け、今では男女比率6:4ともいわれています。

 

水虫は靴とともに表れる文明病です。


水虫の菌は冬眠する

白癬菌は細菌ではなく、酵母などと同じ真菌です。
要するにカビであり、ある種の細菌のに見られる鞭毛を持たないので動き回ることはないです。

 

だから、水虫菌が忍び寄ってくることはなく、人が不用意に接近し接触することで感染が成立する。
感染すると、白癬菌は胞子から菌糸を伸ばし、人の角質層の中でケラチンをエサにして増殖します。
ケラチンとは髪や爪、皮膚の角質層を構成する主成分で、死んだ皮膚の細胞を構成するたんぱく質なのです。

 

春から夏にかけて環境が整うと、水虫菌の活動が活発化し、かゆみ、水膨れなどの症状が表れます。ところが、寒い冬になると菌糸を出さなくなり
、殻に閉じこもります。
こうなると症状は治まるため、本人は治ったと勘違いしてしまいます。
胞子の状態で冬を過ごし、春になるとぶり返す。これを繰り返すうちに、足の裏が硬くなる角質増殖型水虫や、爪の下に潜り込む爪水虫になり、退
治が難しくなります。

更衣室には白癬菌が必ずいる!

日本人の水虫感染率は25%。

 

10人の会員が裸足で歩くだけでもそのうちの2〜3人は持っている計算になる。
1日に10人しか利用していなくても感染するという訳です。普通はもっと多くの人が利用するから、更衣室だけでなく利用者が裸足になる場所には、剥がれた角質と一緒に白癬菌がいることになる。

 

白癬菌自体は決して強くなく、むき出しで床に落下すれば比較的短時間で死ぬが、角質などの中に潜り込んでいると長く生きる。それに、更衣室のサンダルや病院のスリッパ、銭湯の足拭きマット、プールの更衣室にも間違いなくいるでしょう。スリッパやサンダルが抗菌状態だとしても、抗菌力を発揮する前に次の人が履けば無意味となります。

 

さらに、
温度が26度以上、湿度70%以上の場所では、白癬菌は勢いが増します。そもそも人が裸足になる場所はこういった状態が当たり前でしょう。

偽水虫は市販の薬では治らない

治ります!

 

それが間違いなく水虫であって、進化した治療薬を用いれば治ります。
しかし、現実には治らなかったという嘆きの声も多いことは事実です。それは、診断が違うのです。水虫の症状を訴える患者さんの中に偽水虫といって、水虫ではなくありふれた湿疹の方がたくさんいます。

 

体質的に手や足に汗をかきやすい人が足を靴に閉じ込めると、蒸れてかゆくなり、水膨れができたり、皮が剥けるなど水虫のような症状になります。
これは異汗性湿疹です。

 

湿疹の起きている箇所は、言葉を換えれば傷だらけでそこに本来、表皮の角質層だけに塗るべき水虫の薬を塗ると、真皮層に届いてしまい、湿疹が悪化しがちとなります。

 

それを避けるためにも、症状があったら専門医の診断に仰ぐべしです。
湿疹を伴うなら、水虫退治に内服薬の処方もあります。最近では、爪水虫には今までなかった塗り薬も発売され水虫退治ようの治療薬の選択肢は増えています。

緊張しやすい人は足が臭う!

手のひらや足の裏は、1?たり約600個と汗腺が密集する部位です。
汗をすぐかいたものはほとんど臭わないが、そこには微量の脂も存在する。
人の皮膚には表皮ブドウ球菌という常在菌が必ずいます。この菌が脂を分解して、イソ吉草酸という脂肪酸を作り出します。この物質が臭い一因だと言われています。

 

高温多湿の靴内に汗が多ければ、臭いの元も多くなり、菌には天国です。

 

臭いに悩む人は多い!
実は足の臭いを訴えて医者に診てもらう人は少なく、臭いを気にする人を調べてみると、確かに臭うケースもありますが全然臭わないことも多いです。
はっきりとは言えませんが、どちらかといえば皮膚科の領域ではなく、精神科、心療内科の領域に原因を抑えている方が多いのかもしれません。

白癬菌が足についたらすぐに水虫になるのか?

ウイルス性疾患じゃないから、すぐに感染したりはしません。

 

白癬菌が棲みつくのは角質層で、死んだ皮膚組織に菌糸を伸ばして増殖する。
菌糸の先からケラチナーゼというたんぱく質分解酵素を出し、角質に穴を開けて侵入します。だが、ケラチンは非常に堅固な組織で、酵素の作用は受けにくいのです。

 

だから、感染の条件が100%揃っても、菌がついてから角質内に入るには24時間以上かかります。

 

そういうことは・・・
毎日1回足を洗えば大丈夫で、プールやジムから戻ったときも欠かさず行い習慣化することがいいでしょう。ただし、足に傷があったら12時間以内でも侵入してしまいます。だから足を洗うときは優しく丁寧にしましょう。軽石で擦ると傷をつけやすいので避けるほうが無難です。靴ズレも傷のひとつな
ので治しておきましょう。

水虫になりたくない、どうすればいいか。

感染経路を遮断することに尽きます。

 

家族が共有する脱衣所の足ふきマットは各人専用のものにする。これは爪切りも同じ。また床掃除をこまめに。家族に患者がいるなら、家では靴下を履いてもらい、他の人ももちろん。ウール製品や足袋のように、目の詰まったものを履くといいでしょう。

 

蒸れを防ぐため毎日同じ靴を履かない。1回履いたら陰干しで湿気を除くため、2〜3足の靴を交互に履きましょう。事情が許すなら職場でも、サン
ダルなど通気性のよい内履きを使い分けるのもいいでしょう。

 

居酒屋や病院などでは、不特定多数の人が履くスリッパ、サンダルを避け、マイスリッパを持参すれば安心です。帰宅時には足洗いやうがいに手洗いは実行しましょう。

足が臭いから水虫になる

足が臭いから水虫になる、水虫だから足が臭いはどちらも不正解です。

白癬菌も表皮ブドウ球菌も暖かくて湿った処を好みます。
手のひらや足の裏にかく汗は、暑くてかく汗とは別物です。自律神経や持って生まれた体質、性格などにも若干関係してくるのでしょう。

 

こうした汗は、異汗性湿疹の呼び水になります。そして、異汗性湿疹になりやすい人は、同時に水虫にもなりやすいから、両方になっている人は少ないです。水虫の人はこういう汗をかきやすく、水膨れが破けてジクジクしがちです。そうなると表皮ブドウ球菌が活動しやすいので、臭いの元になることがあります。
運動しても汗はかくから、発汗自体は仕方ありません。
風通しのよい靴を選んだり、女性なら指同士が密着するパンプス、ハイヒールには要注意です。
夏はサンダルと上手に付き合うのがいいでしょう。。